'08西表島 蛸取り物語

 080629 祖内港へ直行かと思ったら、白浜へ行く旧道(県道)附近でシュノーケリングをして遊ぶことになった。

 網取ほどではないが、砂浜に元気な珊瑚の根が点在しているところだ。今晩のおかずはダイビングのスタッフが昼に素潜りでオオアオノメアラやもう一匹大きい何とかミーバイ(ハタ科の魚)を獲ってきたので心配はない。

 しばらく遊んでから水深2.5mくらいだったと思うが、珊瑚の蔭に何か黒いモノがいてやや動いている。1本目に見た毒ウツボかとも思ったがどうやら違うようだ。ナマコのようにも見えるが、ちと違う。黒いと言うより少し赤黒い。

 何かわからないけど、ナイフもないので枝珊瑚を拾って左から突っついてみた。スッと30cmくらい右に逃げた。『あれー!! こりゃ何じゃ!!』と思って今度は右から突っついた。今度は2mくらい左下の珊瑚の間に逃げ込んだ。『しまった!!タコだった!!それも大きい!!』今までタコは擬態をしていても、目と目が合うので直ぐに判ったが、このタコはあまり目がはっきりしていなかった。
 珊瑚の間に入ってしまったが、手袋をしてないので吸い付かれたり咬まれるのもイヤだ。もしかしたら、出発まであまり時間が無いかも知れない。近くで見ると珊瑚の間で様々に色や形を変えている。大きいし、ヒョウモンダコなどの危険なヤツとは違うようだ。イチかバチか『おかず捕り』に挑戦することにした。
 枝珊瑚の棒でまた左からチョンチョンと突っついた。ちょっと右に出た頭をむんずとつかんだ。
 抵抗して腕に絡み付く(腕はラッシュガードの長袖だから安心だが・・・)、手に吸い付く。墨を吐く。頭をひっくり返すまでは死んでも離さないつもりだったが、素手なので咬みつかれるのも怖い。滅茶苦茶にからみ付いてきて嘴(クチバシ)がどこにあるか良く判らないが、とにかく頭をひっくり返すのに成功した。手袋をしていればもっと冷静に対処できたのだが・・・・。

 取りあえず一安心だが、ボートまで持って行かなくては『おかず』にならない。
 手に吸い付いてくるので、水中で頭を持ってタコの足をブンブン振り回しながら戻った。頭をひっくり返す時点で、既にボートに大分近づいていたので思ったより早く水揚げが出来た。
 例のスタッフもタコを一匹ゲットしてあった。これで今晩は2タコだ。ボートに上がって早速記念写真。

 タコ捕りの一部始終を見ていた関西方面から来たという保母さん2人組も興奮しながら話しをして、終いには腕にタコを乗せて記念写真に収まっていた。2人ともたこ焼きは大好きだと言ってたっけ。

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